《MUMEI》

『旅先で、困り事が
出来た時、その腕輪
の紋章が役に立つだ
ろうから、との仰せ
だ。』

『聖護、陛下に大切
にします、ありがと
うございました、と
伝えて…』

朱里は腕輪を強く握
り締め、礼を言った

『ああ、伝えておく
よ、朱里。』


そして、朱里と白が
顔を見合わせて頷い
た。

『じゃあ、私達は、
そろそろ行くね、見
送りありがとう。』

朱里は、聖護とユウ
リに別れを告げる。


『『元気で…』』

聖護とユウリは、城
門を出て歩き出した
朱里と白の幸せを祈
り見送った。


‡‡‡‡‡


朱里と白の旅は、楽
しく幸せに進んだ。

白には、見る物、聞
く物の総てが新鮮で
驚きの連続で…。
そんな白に、朱里は
優しく教え見守る。


そして国を旅立って
から数年後、二人は
ある小さな国の名も
無き村へと辿り着く

その村は、豊かな自
然に囲まれ、人々は
皆、心穏やかに暮ら
していた。

二人は、その村に居
を構え暮らす事にし
た。

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