《MUMEI》
楽園
『朱里、ラベンダー
の花が咲きましたよ
。収穫の時期です』

眩しい太陽の下で、
輝く白の笑顔。

『えぇ、良いアロマ
オイルが取れますね
。』

少し日に焼けた朱里
の笑顔も輝いて…。


二人は、花を育て、
アロマオイルを精製
しアロマキャンドル
を売買する仕事をし
ながら、毎日美しい
景色を眺め、夜には
満天の星空の下、愛
を語り合って日々を
過ごした。


豊かな自然の中、二
人きりの幸せで心穏
やかな日々は、永遠
に続くかの様に感じ
られた。

しかし、時の流れは
緩やかだが、確実に
二人に訪れた。



『朱里…』


白は、冷たく動かな
くなった愛しいヒト
に声をかける。


勿論…返事は聞こえ
ない。


『・・・・・』

白は愛しいヒトの亡
きがらを抱え上げ…
……二人で過ごした
楽園を後にした。

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