《MUMEI》
究極
朱里と白が旅立って
から百年余り後の王
国のユウリ研究所。



『ユウリ先生、この
ハナの記録はどうし
ますか?』

ユウリより頭一つ分
背の高い、真珠色の
髪の青年が聞いた。

『あぁ、白。じゃな
かったですね、今は
《夢視》でしたね』

ユウリの言葉に白は
首を振って見せる。

『ユウリ先生〜白で
良いです、《夢視》
は慣れなくて…』


『おや?でも、もう
一人前の夢視占者で
すよ、白は。先日も
戦が激しくなる前に
見事に収めて見せた
でしょう?先代の朱
里と同じ様に…』

そう言った後、ユウ
リは慌てて謝った。

『あっ、すみません
白。思い出させてし
まいましたか、あの
方の事を…』


『いいえ、ユウリ先
生。大丈夫ですよ、
僕なら…悲しんだり
しません、だってー
ーー』


…だって、それが、
あのヒトの、朱里の
最期の願いだったか
ら…

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