《MUMEI》

「…いやはや、参ったね。そこまで見てるとは…。もう誤魔化しは効かないだろうねぇ。」
男は観念した様子だ。腰のホルスターに提げていた拳銃を抜き、オレたちに見せる。

「君の言ったとおりこれはSOCOM PISTOL、軍のシリアルが刻まれているれっきとした官給品だ。…そして、俺は過去に軍務に着いており、今現在も作戦行動中だよ。」
にべもなく言った。その最後のセリフ…、出来れば聞きたく無い言葉だったな。

「…所属は?」
オレは慎重に聞く。コイツの所属機関によってはオレたちの命が危ない。

「俺の所属は、アメリカ合衆国国防総省テロ対策局情報部隊だ。普段は各国の政治情勢などを内偵しているが、国家レベルのテロが発生した際即座に投入され、CIAやFBIから完全に独立した大統領直属の部隊となる。現に、今俺はアメリカ合衆国大統領の命令で動いている。」
そう、男は言い放った。

……………

どうやら今度はこっちが参る番のようだ。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫