《MUMEI》 オランウータン 3「危険な任務ですか?」 「安全な任務なんかないわ。科学者でしょ?」 「たまごです」 「あなたはもうたまごじゃないわ」 「具体的に言ってください」マキの表情が硬い。 「顔が怖いよマキちゃん」 「日本人は真剣なんです」 「アメリカ人はふざけてると言うの?」 「本題に入りませんか?」 卓球のような応酬だ。 「ここだけの話よ。マキは口硬いよね?」 「はい」 「どれくらい?」 「ダイヤモンド」 「風船とか言って欲しかったわね」 「いいですから、そういうのは」 いつになく強気のマキに、アイは少し押された。 「実は、極秘情報を入手したのよ」アイが声を落とす。 「極秘情報?」マキも自然に身を乗り出した。 前へ |次へ |
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