《MUMEI》 「あんなことを繰り返させるわけにはいかないわ。」 いつも以上に真剣な面持ちで千影は二人を見た。 「ヤツがいるのがアメリカなら俺が直接―」 「残念だけれど、勝手な行動は慎んで頂戴。悪戯な戦力の分散は避けたいの。」 千影に釘を刺され、瀧は押し黙る。 「……問題は何処にいるか、だよね。」 「そうね、それに中途半端な力の持ち主が対抗できる相手ではないわ。」 「じゃあどうすんだよ!?」 苛立ちながら声をあらげる瀧に、 「しばらく待機してちょうだい、私はベリア博士と相談するわ。」 そうして千影はベリアに電話をかけだした。 前へ |次へ |
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