《MUMEI》 「………冷静になりなよ?」 「わかってる…。」 「わかってない。」 俯き膝の上で拳を握ったままの瀧に、隣から足を組み、片方の肘を着いたミツが話しかける、 「あいつは正攻法じゃ何とも出来ない、従ってお前一人にどうこう出来るもんでもないの、わかってる?」 「俺だって強くなったし…」 「聞き分けないこと言わないの、向こうだって確実にランクS連れてんだから。」 ミツは返答せず、俯いたままの瀧をチラリと横目で見ると、 「………あんなこと誰にも予測出来なかった、お前のせいじゃない。」 瀧がミツの方を見ると、ミツ自身は瀧の反対側に顔を向けていたため、表情はわからない。 「サンキュ…」 フッ、と笑ってそっぽを向いたままの友人に礼を言う。 「別に。」 返ってきた返事は相変わらずぶっきらぼうだが何処か優しく感じた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |