《MUMEI》

「なんですって!?確かなことなの?」


不意に緊迫した声をあげる千影に二人はそちらを見た。


「わかったわ、早急に対策を考えるわ。そちらも…ええ、一回切るわ。」


電話を切った千影は二人を見据えて告げた。


「すでに、黒烏は日本に入国しているわ。」


三人に緊張が走る。


「日本の何ヵ所かに設置されている簡易型SC探知機の一つが、異常な反応を示したわ。」


千影がパネルを操作すると3Dの日本のマップが現れた。


「ここよ…。」


言葉が指し示すように、いくつか点滅していた点が一つになり、拡大される。


「近くじゃねぇか!!」


「どう考えてもわざとだね。」


「私達の事など恐れていない、そういう事ね。」

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