《MUMEI》
部下からの電話
先生に促されるままに教卓の横に立った。


「黒澤将貴です。

よろしくお願いします。」


言った瞬間静かになった。


どうしたんだ?


不思議に思いながら、
先生に言われた席へと向かう。


その途中、


「やば…クールビューティー…。」


「眼鏡美男子……。」


「かっこいい…。」


そんな会話が飛び交っていたことに、
将貴は気がつかなかった。


授業間の休み時間。


将貴の机周りに人だかりが出来た。


「どこから来たの?


「北海道」←ウソ


「何部に入るんだ?」


「帰宅部」


「彼女はいる?」


「さあ?」


「アドレス教えてー。」


「嫌だ。」


次々に質問されるが、
これにも慣れている将貴は冷静に応えていた。


その時だった。


ブーブーブー


突如将貴の携帯が震え出した。


はあ?


誰だよ。


ポケットから携帯を取り出して、
ディスプレイを見てみる。

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