《MUMEI》
8人のタフガイ 1
アイはマキにチョコレートを勧めた。
「これ美味しいよ。食べな」
「いただきます」マキは口の中に入れた。
「女をその気にさせる欲望のチョコだから」
「うぐぐ…」
「ジョークよ。普通のチョコよ」アイも口の中に放り込む。
「ホントに」マキは睨んだ。
「宇宙人だと勝ち目ないわね」
「だから冗談です」
アイはワインをひと口飲んだ。
「まあ、アマゾンまであなたを一人で行かせないから大丈夫」
「まだオッケーしてませんよ」マキが粘る。
「心配しないで。あなたには8人の用心棒を用意したから」
「8人?」マキは驚いた。
「そう。船長はハーリー。自分の船を出してくれるわ」
「はあ…」
「副船長がマードック」
マキは名前を覚える気がないのか、他人事のように聞いていた。
「記録係はコラム二ストのフランクと、ハイスクールのティーチャーのスタン」
「手を打つの早いですね」マキは感心した。
「ただの記録係じゃないわ。二人とも腕力は確かよ」

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