《MUMEI》
8人のタフガイ 2
アイは話を続けた。
「カメラマンはダンサーのダスティと、レスリングのコーチをしているビル」
「カメラ、本当に回すんですか?」
「当たり前じゃない。証拠映像がなくてだれが信じるの」
マキは心配になってきた。
「パニック映画って、そういうことするグループの人たち、ろくな目に遭ってない気がするんですけど」
「何言ってるの」アイは真顔だ。「映画は映画よ」
「はあ…」
「気合い入れなさい。マキが主役なんだから」
「主役じゃないです!」マキは即否定した。
アイは笑いながらワインを注ぐ。
「あと二人は、本物の酒場の用心棒の、アニマルとホーク」
「…ニックネームですか?」
「年齢、出身地不明。アニマルはスラム街で育ったらしいわ」
「スラム街?」
「ホークは40世紀の未来からタイムスリップしてきたと」
「何ですかそれは?」マキは笑った。
「本人が言うんだから間違いないでしょう」
「本人の言うことほどアテにならないことはないんですけど」
アイはニコッとした。
「マキが正しいわ」

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