《MUMEI》
8人のタフガイ 6
「アニマルは185センチ、130キロ。ホークは191センチ、125キロ。二人ともパワーリフティングの選手よ」
「皆さん屈強な大男って感じ」
「でもレディには親切よ。本当に強い男は優しいものよ」
「そうあって欲しいです」
「タフガイって感じよ、8人とも。弱いくせに威張ってるどっかの国の男子とは違うわよ」
「どこの国でしょうねえ?」マキはアイを見すえながらワインを注いだ。「あったかな、そんな国?」
「何その反抗的な態度は?」アイは笑った。「船上で生贄にしちゃうよ」
「やめなさいって、そういうことは!」マキはおなかに手を当てた。
何となく乗せられて、マキはアマゾン行きに興味が湧いてきた。
「アイさん絶対行くんですよね?」
「だから行くわよ」
「アイさんがいなきゃ無理ですからね」
「冒険家がそんな情けないことは言わないの」
「冒険家じゃありません」
「間違えた冒険者だ」
「冒険者でもありません」
「ハハハ。その調子よ」
「ごまかさないでください」
「大丈夫よ、明日にでも8人全員に合わせてあげるから」
それはありがたい。マキは急に礼儀正しくなった。
「よろしくお願いします」

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