《MUMEI》

「野郎…ふざけやがって!!」

怒りで拳を震わせる瀧に、

「落ち着きなさい、今はまず動向を探らないと…」


「けどよ!!」


椅子から立ち上がりかける瀧に、


―ヒュッ、ゴッ!!!


風を切る音と共にいつの間にか椅子から立っていたミツの美しい踵落としが決まった。


「〜〜〜痛゙〜〜〜っ」


机の上で頭を抱えてもがく瀧に、


「冷静に。」


と一言告げたあと再び椅子に座った。


「で、具体的にはどうするの?」


そうして何事もなかったかのように千影に向き直った。


そんな二人の様子に、千影は一瞬だけ口許を緩ませた。

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