《MUMEI》
荒くれ男 5
アイとマキは店に入った。
「ここで軽く食べましょう。ビリーがご馳走してくれるわ」
「いいんですか?」
奥の席に二人はいた。体重を聞いていたから、どちらがダスティかすぐにわかった。
巨漢の銀髪が振り向く。ボリュームのあるパンチパーマはキレイなホワイトだ。
「おお、アイ」
「ハロー」
ダスティは手を振り、ビリーは立ち上がった。アイと抱き合う。
「彼女は?」
ビリーの目が輝く。ブラウンの洒落た髪。確かにハンサムガイだと、マキも思った。
「マキです。初めまして」
「マキ。美しい…」
ビリーはマキの手を取ると、膝をついて手の甲にキスをした。
(嘘…)
キザだと思ったが、技で殺されたら大変なので、マキは喜びの表情を浮かべた。
「Thank you」
「顔もかわいいけど、ハートもビューティフル」
「ビリー。なぜ初対面でハートがわかる?」ダスティが聞いた。
「おっ、紹介しよう。マキ。フレンドのダスティ。この体重でダンサーだ」

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