《MUMEI》
荒くれ男 6
マキは焦る。アイと目が合う。案の定アイは笑顔だ。
「ビリー。体重は関係ない。ダンスはリズムだ」とイスにすわりながら踊るダスティ。
「揺れるからやめろ」
「ビリーよりは健康的な趣味だ」
ダスティの一言が気になり、マキが聞いた。
「どんな趣味ですか?」
「よくぞ聞いてくれた。ビリーは、どうしたら人間の関節を外せるかを常に研究している」
「してないしてない」ビリーは慌ててマキに弁解した。「オレはそんな男じゃないから」
「キャハハハ!」アイは手を叩いて笑った。
「爆笑するようなことか?」ダスティが言った。
二人は食事をご馳走された。ダスティがマキを見つめる。
「しかしプリティーだ。思わず押し倒したくなるな」
「え?」
「ジョークだジョーク」ビリーが笑う。
「これくらいのジョーク平気よね?」アイが笑顔で睨む。
「はあ…」
(押し倒すって?)
マキは早くも身の危険を感じた。
「マキの水着姿を見てみたいな」
「水着なんか持って行きませんよ」
「ダメだよ」
「GAHAHAHA!」
マキ以外は爆笑。マキは下を向いた。
(帰国しようかな?)

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