《MUMEI》 荒くれ男 10マキはフランクを見て目を見張った。想像していたルックスではなかった。 知的で紳士なコラム二ストと聞いていたが、伸ばし放題のカーリーヘアは肩まで届き、ヒゲも猛々しい。 なぜか額がギザギザだ。怪我だろうか。 分厚い胸板。太い腕。Tシャツもジーパンもはちきれそうだ。 同じ大男でもスタンの着こなしはお洒落だ。フィットしたジーパンに白いシャツ。 フランクは服に無頓着な感じだが、とにかく底知れない自信に満ち溢れていた。 オーラというか、空気というか、高いボルテージが熱風で吹いて来るようだ。 このワイルドな風貌が、コラム二ストという職業と結びつかない。 「フランクです。初めまして」フランクは優しい笑みを浮かべると、マキに手を差し出した。 「こちらこそ」マキは緊張した。「よろしくお願いします」 前へ |次へ |
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