《MUMEI》
信じられない
「道案内してもらえれば、寄り道してあげますよ。

少し位なら、他のメンバーも待てるでしょうし」

「えー」


ジャックはそう言うけど


コイツ等が、大人しく待ってるとは、思えない


それに、真っ赤なリムジンは、目立つから、ヨーコさんに迷惑がかかるかもしれない


「悩むまでもねーだろ。俺達がここまでしてやるんだから、大人しく礼を言えばいいんだよ」

「そうだね」

「ん」


三人の意見が珍しく合ったけど


はっきり言って、信用できねー


特に、キングが大人しく待つ姿が、想像できなかった


「何だ? 惚れ直したか?」

「違う」


何で目が合っただけで惚れ直したになるんだ


そもそも、元々惚れてねーし


「単に信用されて無いんじゃない?」

「ん」

「ひがむな」


ニヤニヤしながら、キングは言ったが


「いや。クイーンと、か…エースの言う通りだし」


俺の言葉に、ピシッと固まった


それを見て、クイーンはあからさまに笑い


ジャックは苦笑した


そして


珍しく、エースも笑っていた

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