《MUMEI》

『ふーーん?それで
良いんだ、こりゃ楽
勝かもな。』

総一郎を眺めながら
呟く勝山。

『え?何が?』

すると、にこやかだ
った勝山の顔から笑
顔が消え射す様な瞳
が総一郎に向けられ
る。

『君さ、東くん。何
時まで世良を自分に
縛り付けてんの?曖
昧な態度で、答えを
引き延ばして、世良
の気持ちに甘え過ぎ
なんじゃないの?』


『は?』

突然の勝山の発言に
総一郎はムッとした

『俺と世良の話に部
外者のアナタが口を
挟まないで良いんじ
ゃ無いですか?』


『ククッ…部外者ねぇ
?だから言ったろ?
俺は世良を狙ってる
ってさ…君、頭悪い
のかな?

あぁ、だから、答え
を決められないんだ
。世良も可哀相だよ
な、君に振り回され
てさ…』

『君のしてる事って
世良を苦しめてるだ
けなんだよね。いい
加減気付きなよ。

世良の気持ちに応え
る気が無いのなら、
キッパリと振ってや
るのが優しさだと思
うけどね、俺は。』


『………』

勝山の言葉に総一郎
は言い返す事が出来
ず、ただ拳を握り締
めていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫