《MUMEI》

『愛一郎さん?』

取り合えず、コーヒ
ーをテーブルに置き
ながら、愛一郎さん
を見る。

『あぁ、コーヒーあ
りがとう。』

にこりと笑い何事も
無い様にコーヒーを
口元に運んだ。

『えーと、そうだ話
。話は済んだの?大
学の話。』

『あーうん、まあね
大体は…ね。』

『あ、そうなの、な
ら良いけど…隆くん
が急に帰るから何か
あったのかと…』

何となく歯切れの悪
い愛一郎さんに首を
傾げながらも、納得
した私。


『ところでさ、萌子
サン?』

コーヒーをカチャン
と置いて愛一郎さん
が微笑む。

ギクリ…ヤバい。
愛一郎さんが私をサ
ン付けする時って…

『今日の予定、後は
何も入ってないよね
?』

うわっ…キタキタ…

『あっ、あのね、愛
一郎さん…まだ…明
るいかな〜って…』

『俺、久しぶりの休
日なんだケド?萌子
サン?』

あわわっ、顔近い!

『…ンッ…フッ…』

コーヒー味の唇が重
なって来た。

『…ね、萌子サン!
しょっか?』

愛一郎さんはしたい
時に私をサン付けす
る、変な癖がある。

『………』

何も言えずに寝室へ
引きずられる私だっ
た。

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