《MUMEI》

数学の時間の出来事以降、ふとしたタイミングで、同じような事が繰り返された。



ぼーっとしていたり、
集中していたり、



今までなんとなく、周りとの隔たりを感じていたタイミングで、
時間の差異が生まれる様になっていた。







しかも、

周りがスローモーションになるとか、そんな分かりやすい状況には陥らないから、自分の状況が全く掴めない。









感覚なのだ。









なんとなく、隔たりを感じた時には、既に始まっていて、

『周りは俺の事態に気付いているのか?』

と見渡すと、途端に平常時に戻っている。




その繰り返し。




ある時は全く時間は進んでいなく、
ある時は今までの感覚の通り普通に時間が進んでいる。


まぁ、だからといって、
陸上なんかのアスリートと違って、
完璧な体内時計を持っているわけでも無いから、
はっきりはわからないんだけれども。









『テストなんかの時に、この状況を作り出せたら、有利だな。』

とか、考えて、不公平感と、意味の無さに脱力してみたり。



己の実力を試す為のテストで、
ズルをして良い成績を取っても、
テストの意味が無くなるし、
その不正行為はいずれ己に返ってくる。








何より、

そんな事をしなくても、既に俺は学年トップだ。

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