《MUMEI》 山田がこの高校の卒業生なのは言うまでもなく、部活動の新設までしたのを知る生徒は数少ない。 「だからテニス部顧問なのかもな。」 「それにしたって、休みの度に遠征って、いくら強いからって、やりすぎですよ…」 テニス部に良いコーチが外部からついているため、顧問は特に経験者で無くても良く、さらに週末にはどこかしら遠征に行く強豪テニス部の顧問をやりたがる先生はなかなかいない。 さらにテニス経験者の教師がいないとなれば、顧問は新任など若い教師と決まっていた。 一人しか入らなかった新米教師の山田は反論も出来ずにテニス部の顧問をやらされていた。 「ところで…世間話をしに来た。って顔では無かったですけど?何かお話しがあったのでは?」 前へ |次へ |
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