《MUMEI》

「瀧の、…知り合い、ですか?」


「まぁねぇ、昨日アメリカから日本に帰ってきてん。」


「そうなんですか!?ごめんなさい、さっきまで一緒だったのにはぐれちゃって…」


「あれ、ほな迷子?」


「うゃ、はい…ついクレープ屋が気になって…」


「ぁあ、あれええ匂いやねぇ♪俺も気になってこっちきてん。」


彼の朗らかな雰囲気につい話が弾む。


「折角やし、おごろうか?」

「え、でもなんか申し訳ないし…、瀧達探さないと…」


「えーて、かわいい子と知り合いになれた記念やし、瀧には連絡入れたげるからさ。買ってどっかベンチで食べよーや。」


「……じゃあ、お言葉に甘えちゃおっかな♪」


そうして二人はならんでクレープ屋に向かって歩き始めた。

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