《MUMEI》

くるみちゃんが指さしたプレゼントのドールハウスの部屋の中央には、くるみちゃんに似た可愛らしいくりくり髪の人形と、その隣にはミニョンちゃんに似た栗毛の髪でほっぺがピンク色に染まった可愛らしいお人形が仲良く座っていた。

「良かったねぇ、こういうのサンタさんにお願いしたんだくるみちゃん♪」

実はこの人形、くるみちゃんが幼稚園に行っている間に僕が作ったものだった。

前に黒猫カッチェのぬいぐるみを作ってあげてから、ちょっとだけお裁縫が面白くなってしまって、本屋さんでぬいぐるみの作り方の本を見つけてくると、その本はドイツ語だらけだったけどそこに描かれていた型紙を写し取って何とか人形を作ってみたのだ。

「うん!明日、明日ね、ミニョンにコレ見せるの!!」

そう言ってドールハウスの中の人形を手に取ると、嬉しそうにその顔をマジマジと見つめたりチュッチュとキスしたりしていた。

(喜んで貰えて、よかった///)

「あのね、アキラしゃんと克哉兄ちゃとねはるかなちゃんとトリスたんも居るんだよ、こっちにね…」

そう言うとくるみちゃんはおもちゃ箱の中から色んな人形を取り出して説明しはじめた。

こっちのG.I.ジョーが克哉さんらしい、そしてこっちの栗毛色の短い髪をした髪リカちゃん人形みたいなのが僕なんだとか…。

(僕、女性なのか…くるみちゃんまで…)

そしてこっちの犬だか猫だかの2つ対になったぬいぐるみが”はるか君とかなた君”フワフワなカンジとかがそっくりだなぁ。

そして、こっちのフランス人形がトリスタンさんなんだって。

それぞれ雰囲気がそっくりで、改めて子供ってよく見てるんだなぁ…とそこにいる皆で関心してしまった。

「それでね、こっちのがねぇ、マッくんとさく…」
「くるみ、あきらへのプレゼントもあるんだ、見たいだろ」

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