《MUMEI》
アニマル 6
「アニマル。そんな難しい質問して困らせるな」ホークが助け船を出す。「それとも女の困り果てる姿に美の追求を感じるか? GAHAHAHA!」
「くだらねえ」
「くだる」
助け船ではなかった。
「マキ」
「はい!」
「マキ。オレにそんな敬語は必要ねえ。異性なら年下でもタメ口OKだ。男の年下の場合、タメ口叩かれたら叩くけどな。GAHAHAHA!」
「はあ…」マキの額に汗が光る。
「ダスティとかビリーとか、すぐマキを体固めしようとする輩がいるが、オレが守ってやる」
「体固め?」マキは首をかしげた。
「オレのそばにいれば安心ってことだ」
「いちばん危ねえ」アニマルがポツリと呟く。
「何か言ったか?」
アニマルはホークを無視して、マキを見た。
「マキ。その辺は心配すんな。絶対に守ってあげる」
「はい」マキは明るい笑顔でアニマルを見上げた。
「マキ」ホークが鷹のような鋭い目で言った。「オレが守るぜ」
「あ、はい」
「何、オレがいちばん危ない?」
「言ってません言ってません」マキの笑顔が引きつる。
「きょうはこの辺で。楽しみはあとでね」
アイが強引に話を切り上げた。

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