《MUMEI》

『ひゃん…』
昌也にアチコチ舐め
られて、変な声が出
た。

…うぅっ、ハズカシ
イ。大体、何なんだ
よ、『ごめんな』な
んて言うんなら、こ
んなコトしないでよ
ね…。

そう考えた僕は気付
いた。

そうだよ、こんなコ
トって…コレって…


『ハァ…昌也…』


『ん、なーに和樹』

僕の肌から唇を離し
昌也が顔を上げる。


『こんなコト…好き
な人とじゃなきゃ、
しちゃいけないんだ
よ?なんで…僕なの
?昌也、わかんない
よ…』


『は?和樹…お前』

僕の言葉を聞いて昌
也が動かなくなった


『昌也?』

一向に動かない昌也
が心配になり声をか
ける。と、突然昌也
が笑い出した。

『くっははは…』

『なっ、昌也?』

『和樹、そこまで気
付いていて、お前こ
そ、なんでわかんな
いんだよ、まさか…
わざとなのか?』

さっきまで笑ってい
た昌也の顔は、今度
は今にも泣きそうな
顔で僕を見つめる。

『え、何、わざと?
って…』

僕は、昌也の顔を呆
然と見つめ返した。

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