《MUMEI》

「…悪い明智…取り乱した…」


今までの和やかな雰囲気を打ち消すような、山男の性格の変化に明智は言葉を失っていた。状況はまったく飲み込めなくなった。


「…明智?気分は大丈夫か?またさっきみたいになったらすぐ言ってくれ。。」

「いや、大丈夫そうです。はい。」


「説明しなきゃいけないことが増えたな…しかもあいつソウランって言いやがったな。。。出るのだけで1時間かかるぞこれ…」

「ソウ…とは違うんですか?」


色んな事を聞きたかったが、初めて聞く言葉に明智は疑問をぶつけた。


「ソウランは…ソウの強力なやつだな…時間は5倍どころか最大で15倍にもなるはずだ。さらに、これは調整出来るんだが…万が一を考えて15倍にしておこう…昼休み終わったら元も子もないし。俺は昼イチで授業無いけど、明智はそうは行かないしな。」

「はぁ」

ちょっと待ってな。と言って山男はもにょもにょと何かをつぶやく。

「よし、ソウに対してソウランの一番の違いは空間自体を遮断してしまうところか…ここみたいに。
ソウだと、さっきの準備室でみたいに、空間を一部切り取るだけなんだが、ソウランだと見事に遮断される。今、誰かが準備室に入ってきても、俺たちは見えない。」

「ん?ここは真っ暗なだけで、生物準備室なんですか?」

「いやー…違うな」

「????」

「なんて言ったものかなぁ…まぁ、あれだ、異空間にでも飛ばされたと思ってくれて間違いないよ。」

「ざっくばらんに行きましたね…」

「ソウと概念は同じなんだけど、見た目が大きく違うからな。最初はそう言うもんだと思ってて良いと思う。
これから話すことは日本語にするには難しすぎる現象や概念ばかりだから、多少漫画やアニメで使われている表現で覚えても問題無いだろう。そのうち正しく覚えれるよ。1年くらいは付き合わなきゃならないからな。」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫