《MUMEI》
アニマル 7
「これで8人全員と会ったわね」車に乗ると、アイが満足な顔で言った。
「はい」
マキも満足そうな顔をしているので、アイは安心した。
「みんな面白くて優しいでしょ」
「ええ」
「こんな個性派は日本人男性にはいないでしょ?」
「そんなことないです」マキは笑顔を消して睨んだ。
アイは車を出すと、前を見ながら言った。
「アニマルの質問に答えなきゃね」
「あああ!」
突然叫ぶマキに、アイは驚いた。
「そんな、この世の終わりみたいな声出さないでよう」
「ホークがチャチャ入れるから」マキが本気で心配している。「アイさん、電話して」
「誠実ね、マキは。船で言えば済むことよ。なぜ科学者になったか」
「大丈夫かな?」
「アニマルは小さいことで怒らないから平気よ。それより、この前の質問なんですけどって答えたら、人が質問したことを誠実に覚えているなんてって。返って驚かれるわよ」
マキの目が輝く。
「ポイント高いですかね?」
「ポイント?」
マキは慌てて話題を変えた。
「みなさん、年いくつなんですか?」

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