《MUMEI》

「今感じた、簡単な言葉だと…守護霊みたいな感じですか?」

山男はしばらく渋い顔をしていたが、ふむ、と言って頷いた。

「確かに、まぁ、無くは無いか。
サプリが守護霊。って思ったらなんか激しい違和感があるんだが、分かりやすい言葉って言うと、そうなるか。」

「サプリってそんな嫌なヤツなんですか?」

さっきのブチ切れ方と言い、この物言いはサプリがどんだけ悪いヤツなんだ。そんなヤツにうちの高校は守られているのか…と心配になる。
山男は苦い顔をしながら笑う。

「悪いヤツじゃないんだ。むしろ、気ぃ遣いで心配性で、疲れるくらいだ。高校も良く守っていると思うよ。

…ただ、減らず口が多くて、かつ、俺と相性が悪い。」

「相性。。。」

「そ、良いヤツだって頭では分かっているんだけど、なんか相容れないって言うか。あいつは信頼出来る事は確かだよ。俺はつい喧嘩腰になるけど。」

初めの物腰柔らかそうな教師、それから突然キレたさっきの山男、そのどちらが目の前の男の本性なのかは、火を見るより明らかだった。

「学校のフェル、サプリ…ね。」

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