《MUMEI》
出発の朝 2
朝から強い日差しが照りつける。アイは眩しそうな目で話した。
「マキ、水着持ってきた?」
「一応は」
「船では水着でいればいいわ」アイが笑う。
「ヤです」即答。
「あなたにはサービス精神ってもんがないの?」
「なくていいです…ってそれよりアイさん約束破る気ですか?」マキが食ってかかる。
「あたしはあとで行くから。心配しないで」
マキは無言のまま睨んだ。どうやら最初から決まっていたらしい。
そこへ続々と男たちが現れた。
フランクとスタンだ。
「グッドモーニング」
「おはようございます」
「マキ。ファッションもイカしてるぜ」スタンが笑顔で誉めた。
「サンクス」
「フランク」アイが言った。「マキをお願いね」
「任せろ」
(任せろ?)
マキは呆れた。任せろということは、アイが船に乗らないのを始めから知っていたということだ。
「かあ…」マキは頭を振った。

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