《MUMEI》

礼に頭を下げると、岡本は岡部の元へ
「岡部先生、ペン借りて――」
もどて見れば其処には
ソファに身を寛げたまま眠りこけている岡部の姿があった
「寝ちゃってる……」
子供の様なその寝顔
ソファの上で組んだ胡坐の上に参考書を乗せたその体制を崩さないまま
器用に寝入る岡部を、岡本は暫くその寝顔に見入る
「顔は、満点なのにな」
性格が滅茶苦茶過ぎる、と何となく文句を呟きながら
「こんな処で寝てると、風邪引くよ」
だがすぐ様そんな文句は消え
どうしても幼く見えてしまう寝顔につい頭を撫でてしまっていた
未だ起きる気配のない岡部へ
もう少し寝かせておいてやろうと岡本は自身の部屋から毛布を持ち出しソレを岡部の上へ
「ここ、掃除しようと思ったけど、もう少し後にしてあげる。30分くらいしたら起きてよね。タカ、トラ」
始めて戸惑いがちに岡部の名を呼んでみる岡本
その行動に自分で照れ、恥ずかしさに岡部が起きていないかを確認すると
未だ、夢心地
その事に安堵した岡本は慌てた様に立ち上がり踵を返すと
夕食の支度でもしようと、慌ただしく台所へと向かったのだった……

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