《MUMEI》
出発の朝 6
「猛牛とはだれのことだ?」スタンがホークを睨む。
「猛牛は誉め言葉じゃねえか」ホークが笑う。
「ホーク」フランクが言った。「オレはゴリラじゃない。キングコングだ」
ダスティの顔が赤い。
「狂犬はマードックとして、豚とはだれのことだ?」
「想像に任せる」
「ホーク、テメーは年下のくせに生意気なんだ!」
マキはダスティとホークの間に入った。
「やめなよ二人とも」
「オレは年下じゃねえ。40世紀の未来からタイムスリップしてきたんだ」
「前はタイムマシンと言ったぞ」ダスティが指を差す。「作り話だから統一性がねんだ嘘つき野郎!」
「黙れ豚」
「殺す」
両者つかみ合った。マキは慌てて止めた。
「やめて、やめないとあたし帰るよ!」
「それは困る」ダスティは焦った。「マキがいなければこの旅そのものが無意味になる」
「じゃあ言うこと聞いて」

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