《MUMEI》
出発の朝 7
マキは大事なことに気づいた。
「あ、アイさんがいない!」
逃げられた。
「裏切者!」
マキが怒っていると、ホークが話しかける。
「マキ。よく見るとマキは顔がかわいいだけじゃなく、いい体してるな」
「あ、ありがとう」額に汗が光る。
「思わず押し倒したくなるな」
「やめろ」アニマルが睨む。
「バーロー。マキはこれくらいのジョークは平気だ」
「どうですかね?」マキの笑顔が引きつる。
スタンが口を挟んだ。
「安心しろマキ。豚からはオレが守ってやる」
「やめなよスタン」マキが睨んだ。
「だれが豚だテメー?」ダスティが歩み寄る。
「オレが言ったんじゃねえ」
「うるせえ!」
「豚で気に入らなければヒポポタマスだ」
「ヒポポタマスだとこの野郎!」
「ヒポポタマス?」マキがアニマルに聞いた。
「カバだ」
「ぷっ…」
「今笑ったねお嬢さん?」ダスティが踊りながら歩み寄る。
「笑ってません笑ってません」マキは笑顔のまま両手を出した。

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