《MUMEI》
恋愛の極意 1
船は静かに進んでいく。紅一点はスリリングだ。屈強な男たちが、上半身裸で、逞しい肉体のままマキを囲む。
ダスティにスタンにビリー。そしてホークだ。
「マキ」ホークが気さくに声をかける。「大丈夫か? 何かあったら遠慮なく言えよ」
「ありがとう」マキはキュートなスマイルをホークに向けた。
ビリーが解説する。
「今の声かけはポイント高いな」
「ポイント?」ホークが笑顔でビリーを睨む。
「優しい男だと喜ばれる」
「でもなマキ」ダスティが口を挟んだ。「安心させて隙を見せた瞬間に服を脱がすのが奴の流れだからな」
「くだらねえ」
「気をつけたほうがいいぜ」
「ホークはそんな人じゃありません」マキが真顔で言った。
「ガハハハ! 見たか一般人ども。オレとマキは強い信頼関係と深い友情で結ばれている」
「ほざけ」ダスティは面白くない。

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