《MUMEI》 恋愛の極意 4「何でスタンがいるんだ?」ダスティが聞く。 「オレはテメーらがマキに変なことしないか見張ってるんだ」 「自分だけいい子ぶるな」 「何だと?」 マキは船の上を見回した。 (アニマルがいない。寝てるのかな?) マキは船の端にすわっているフランクを見た。何か書いている。 彼女は隣にすわり、話しかけた。 「記録?」 「風景をスケッチしている」 ペンを走らせるフランク。マキはノートを覗いたが、文字しか書かれていない。 「スケッチ?」 「文人は文でスケッチするんだ。あとで思い出して書くのと、今眼前にあるものを描くのとでは、全然違う」 「カッコイイ」マキは白い歯を見せた。「ちゃんと仕事してるのはフランクだけね」 「ハーリーも船を動かしている」 「あ、もちろんそうだけど」マキは少し慌てた。 前へ |次へ |
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