《MUMEI》
恋愛の極意 5
「何でフランクなんだ?」
納得いかないダスティに、ビリーが語った。
「これは高度な技だ。マキみたいなモテる女の子は口説かれ慣れてる。だから逆に、フランクみたいに自分に見向きもしない男が気になるんだ」
「なるほど深い」
ダスティは、談笑するマキとフランクを見ながら感嘆した。
スタンが笑う。
「フランクはそんなこと考えてねえよ。ガハハハ!」
「遊んでる男よりも仕事してる男がよく映るのか?」ホークも笑う。
「そうか」ダスティはいきなりカメラを回し始めた。「マキ、スマイル、スマイル」
「今さらおせーよ」
「それよりフランクの邪魔をしたら殺されるぞ」
スタンのアドバイスを無視して、ダスティはカメラを覗きながらマキに歩み寄る。
「マキ、スマイル」
「あたしはいい」
「さあ、水着になりな。バスタオル一枚でもいいぜ。それとも素っ裸か?」
フランクが静かに立ち上がると、助走なしの「シャラップドロップキック!」
「NO!」
ダスティが吹っ飛ぶ。マキは目を丸くした。

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