《MUMEI》
交流会逆鬼ごっこ
第三者視点


鬼達の姿が、小さくなっていくのを確認し


まず、それまで何もしていなかった神澤が動き始めた


それを合図に


数名のSP達が、D組とZ組を囲んだ


その行動に驚いたのは、一般生徒と、D組の


いわゆる下っ端達のみ


それ以外の生徒達は、この行動をある程度予想していた


ただ、予想外だったのは


D組に説明に来たのが、普段やる気の無い生徒会役員


神澤薫だった事だった


「そんなにあの鬼が大事か?」

「大事。傷付ける、ダメ。それが、ルール」


笑う暁に向かい、神澤は告げた


「で? このSP共は?」

「鬼」

「特典は?」

「外泊許可」


神澤の言葉に、周りから歓声が上がった


それもそのはず


D組とZ組は、基本実家に帰る以外は外泊禁止なのだ


丁度、Z組の説明をしているSPも同じ事を言ったらしく


二つのクラスはかつて無いほどテンションが上がっていた


「そうまでして、守りたいんだな」


暁は、神澤を見ながら


逃げていった鬼を


高橋誠を思い出し


ニヤリと笑った

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