《MUMEI》
決闘? 1
夜になった。
マキには個室が用意されている。彼女はパジャマに着替えるのも怖いので、Tシャツを着たまま寝ようとした。
皆はまだ酒を飲みながら談笑している。
「マキ」
マキの部屋に赤い顔をしたダスティが来た。
「何ですか?」
「そんな警戒するな。オレが夜這いプレイをすると思うか?」
否定してくれると待ったが、マキは無言のままダスティを見ている。
「マキ。寝るときは全裸か?」
「いえ」
「ジョークは嫌いか?」
「あまりブラックなのは」
「こんなんでブラックなんて言ってたらアメリカでは生きて行けないぜ」
「寝ます。グンナイ」マキはドアを閉めた。
油断も隙もない。まさか本気で体を奪われるとは思わないが、力では絶対にかなわない。警戒は大事だとマキは思った。
ベッドに仰向けになり、狭い部屋の天井を見る。
波の音が聴こえる。眠れそうだ。マキは瞳を閉じた。
(アニマルと全然喋れなかった…)
向こうから話しかけてくれない。ホークが言った通りタイプではないのか。
マキは少し不安だった。
明日は自分から話しかけよう。そう思い、マキは深い眠りについた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫