《MUMEI》
決闘? 5
マキは一か八か言ってみた。
「ホークがいちばん危なかったりして」
「バーロー!」ホークは喜んだ。「オレも確かに危ないが、もっと危ないのはアニマルだ」
「嘘?」
「本当だ。オレが嘘ついたことあるか?」
「はい」マキは笑った。
「オレにそんな口叩けるとは勇者だ」
「マキ」アニマルが怖い顔で言う。「護身術は大事だ。教えよう」
「本当ですか?」
感激するマキにややジェラシーを浮かべるホークだが、笑顔で背後に回る。
「よし。じゃあオレが強姦する役だ」
「キャー!」
「まだ何もしてねえ」
「マキ」アニマルが言った。「右肘で顔面にエルボーだ」
マキはゆっくりホークの顔に肘を当てた。
「肘は凶器だ。顔は人間の急所が集中している。顔にダメージを負うと怯む」
「はい」マキは真剣に聞いた。

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