《MUMEI》 決闘? 6「いざという時に技を出すためには、毎日何百回と反復練習が必要だ」 「何百回?」 驚くマキにアニマルが言った。 「自分の身は自分で守る。男に助けてもらおうなんてダメだ」 「はい」 「実際、痴漢に襲われたら体は動かない。肘なんか出せない。だから日頃から条件反射するまでトレーニングするんだ。ボクシングなんか条件反射でよけてるんだ」 親身になって教えてくれるアニマルに、マキは心底感激していた。 (本気であたしを心配してくれている) 「サンダルよりはスニーカーのほうがいい。サンダルじゃ逃げ足が遅くなる」 「お洒落より体が大事だ」ホークがつけ加える。「しかし一番危ないのはアニマルだ」 「くだらねえ」 「バカ、男は危ないほうがモテるぞ」 「あたしは安全なほうがいい」マキが口を挟む。「すぐ押し倒すような男は苦手」 「オレは押し倒すの得意だぞ」 「ですから…」マキは呆れた。 前へ |次へ |
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