《MUMEI》
決闘? 7
船旅は続く。
昨日はアニマルと会話もでき、護身術まで教わった。
しかもアニマルは自分のことを本気で心配してくれていることもわかった。
マキはにんまりした。
「……」
この感情は間違いなく、恋か。マキは自問自答した。
しかし、アニマルにアメリカ人の恋人がいても不思議はない。聞くのは怖かった。


昼食をとりながら、皆はビールを飲んだ。マキは勧められたが、断った。酔い潰し作戦に出る輩がいないとも限らないし、知らない間に眠るのは危険だ。
アニマルのアドバイス通り、自分の身は自分で守ろうとマキは思った。
「暑いな」
皆Tシャツを脱いだ。男たちの裸のつき合いにつき合う義理はないが、旅の開放感がマキを大胆にさせていた。
「暑いね」マキはさりげなくアニマルを見る。
「水着になればいい」ホークが笑った。
「襲わない?」
「愚問だ。速攻でビキニ上下とも剥がすぜ」
「そんなことさせない」アニマルが短く笑った。

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