《MUMEI》
決闘? 9
「何蹴ってんだテメー?」
ダスティは起き上がると、スタンに突っかかる。マキは慌てて間に入った。
「やめてやめて、あたしは大丈夫だから」
ビリーやフランクも止めに入る。
「もっとやれやれい!」ホークはすわったまま笑っている。「パンチパンチ」
アニマルはなぜか操縦席でハーリーと話している。
ダスティは本気で怒っていた。
「テメー、一回は一回だ」とキック。
「テメーの短足じゃ当たらねえ」
「何だと!」もう一回足を上げる。
「短足で気に入らなきゃ豚足だ」
「泣かす」
ダスティが掴みかかる。スタンもボディに膝蹴り。
「やめて!」マキは必死に止めた。
マードックが来た。
「一旦ストップ、一旦ストップ」
ダスティは離れたが、スタンはマードックに食ってかかった。
「こいつがいると風紀が乱れるんだ」
「違うんです。あたしもいけないんです」マキは泣きそうな顔で責任を感じている。
「マキは何も悪くない」ビリーが言った。
「そうだ」スタンがまくる。「この痴漢野郎は川に放り込んでジョーズの餌だ」
「川にサメがいるのか?」ダスティは指を差す。「生徒にデタラメ教えてんだろエセ教師!」
「貴様こそ、そのズータイであちこちのステージを破壊してんだろデブダンサー!」
「だれがデブだ!」
また二人は掴みかかる。
「やめろ。やめろ」マードックが二人を分けた。

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