《MUMEI》
馬鹿な奴
『やべぇ、遅くなっ
た〜総一郎、待って
てくれてるかな?』

待ち合わせ場所に急
ぐ世良の、前方から
来る人物。


『よっ、世良。』


『勝山先輩。』


『あぁ、そんなに急
がない方が良いと思
うよ』


『へ?』

突拍子も無い勝山の
言葉に足を止める世
良。


『総ちゃんなら、大
切な隆くんと仲良く
お話してるからさ…
邪魔しちゃ悪いだろ
う?』


…え、総一郎が隆と
?俺が…邪魔?
投げ掛けられた言葉
に不安になる世良。


『だから…さ、世良
今日は、俺と一緒に
帰るぞ?』


立ち止まる世良の腕
を掴み、勝山は歩き
出そうとする、総一
郎との待ち合わせ場
所から遠ざける様に
反対方向へ…。


『なっ、離せよ。』

掴まれた腕を無理矢
理剥がし、勝山から
距離を置く。


『…世良』


『俺は、総一郎と帰
る!じゃあ、な。』

走り去る世良の後ろ
姿を見つめながら勝
山は呟いた。

…馬鹿な奴、ツライ
思いをするだけなの
に…。

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