《MUMEI》
危機一髪! 5
「貴様らは何しにここへ来た」マクダニエルが冷徹な口調で聞く。
「ただの研究調査だ」ハーリーが鋭く構えながら答える。
「調査?」アドニスが嘲笑する。「こんなガタイのいい調査員がいるか。オレたちを捕まえに来た保安官だろ?」
「違う」
「アメリカ人は信じられん」
アニマルが動く。
「動くな!」
アドニスは叫ぶと、斧を出した。マキは目を丸くする。汗びっしょりだ。
「何の調査だ?」マクダニエルが聞いた。
ビリーが早口に答える。
「実はオランウータンを探しに来た。ここでオランウータンを見たという目撃情報があるんだ」
「オランウータン?」マクダニエルは無表情で言った。「ここにオランウータンはいない。帰れ」
「この娘はもらっていくぞ」アドニスが笑う。
「ふざけるな」
アニマルが前に出ると、アドニスはマキのおなかに斧を当てた。
「やめて!」マキが叫ぶ。
「全員すわれ。すわれ!」

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