《MUMEI》
危機一髪! 6
アドニスは不気味に笑うと、斧を持ち替えた。
「すわらないと、こうだ」
卑劣にも斧をマキの股に当てがった。
「やあ! ヤダ!」
マキは泣きながら伸び上がる。
「やめろやめろ」ビリーがすわりながら叫んだ。「その子を傷つけちゃダメだ。言う通りにするから!」
「だったら早くすわれ!」
ハーリーも仕方なくすわった。
「仕方ない。言う通りにするんだ」
フランクもスタンもダスティも、敵を睨みながらすわる。
マードックも拳を握りしめながらすわった。
「そこの二人! 何突っ立ってんだ!」
アドニスは、すわらないアニマルとホークを怒鳴った。
マキは震えながらアニマルを見つめる。アニマルは言った。
「マキ。悪いが諦めてくれ」
「え?」マキは耳を疑った。
「全員縛り首になれば、マキも連れ去られ、死ぬより辛い目に遭うのは明らかだ。ならばオレが生き残って、全員を殺す道を選ぶ」
「何だと?」アドニスの額に汗が光る。

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