《MUMEI》
危機一髪! 7
マクダニエルが口を開いた。
「縛り首にはしない。今すぐアメリカに帰れ」
「女を無傷で返せば貴様らには何もしない。しかし、少しでも傷つけたら全員殺す」アニマルが殺意の目でアドニスを睨んだ。
ホークも笑顔で言う。
「テメーらを全員殺すことは簡単だ。だってオレ何も考えてないから。GAHAHAHA!」
アドニスは焦った。
「この薄情もの! 女を見捨てるのか?」
「そうだ。犠牲になってもらう」
(アニマル…)
マキは半ば放心状態だ。力が入らない。
サラサラサラサラ。また草の音。
「あっ…?」
アニマルが驚きの表情。アドニスはアニマルの目線が自分の背後に向けられているのを見て、思わず後ろを見た。
そこには巨大なオランウータンがいた。
「わあああ!」
驚くアドニスめがけて、オランウータンが一撃!
「ギャー!」
頭を殴られて血しぶきが飛ぶ。アドニスが倒れた。ほかの男たちはマキを置いてオランウータンから離れた。
「わあああ!」

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