《MUMEI》
今は何世紀だ? 8
「目的がわかった瞬間に、おまんら全員みなごろしにする。おまんはワシの嫁としてここで暮らす」
「そんな乱暴なことは言わないで」マキが睨む。
刺激してはいけない。腕力では敵わないのだ。
「あたしのことは信じて欲しい。信じてください」
マキは誠心誠意、頭を下げた。オランウータンは驚いた顔でマキの綺麗な黒髪を見つめていた。
「わかった。マキだけは信用しよう」
「ありがとう」
少しの間、会話が途切れた。オランウータンは感激の面持ちに見える。
しかし女の場合、好かれたら好かれたで別の心配が出てくる。
水着姿なのだ。ほとんど裸同然。さっきの嫁にするというセリフからも、そういう目で見ている危険はある。
(アニマル。早く!)
ダスティが麻酔銃を持って登場する映像が頭に浮かび、マキは慌てて首を振った。
「どうした?」
「いえ、何でもないわ」
マキは汗を拭った。

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