《MUMEI》

「コラァァてめぇぇ!!俺の大事な妹になんてことすんだぁぁ!」


雪耶は雹里をよしよしと頭を撫でながら怒鳴った。


檜泉は雪耶の反応が面白くて、クスクス笑った。


「兄さん、なんでそんなに怒ってるの?」


「雹里、俺は怒ってないよ」


雪耶は無理に笑顔を作って言った。


「雪(せっ)ちゃん、雹ちゃん、劉ちゃん、ご飯出来たよ」


1階のリビングから母の声が聞こえた。

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