《MUMEI》

『隆!』

突然、声が響き、神
品が総一郎の腕を掴
み隆から引き剥がす


『東〜、お前、何し
てんだよ!』

神品は、総一郎の腕
を掴んだまま、睨み
拳を振り上げた。


…殴られる!
総一郎は、来るであ
ろう拳の痛みに身体
を固くして備えた。


ガツッ!!

音がしたが、総一郎
に痛みはない。


『『世良?!』』

総一郎と神品の間に
素早く割って入った
世良が、拳を受けて
いた。

『世良、お前…』

神品は、総一郎の身
代わりに殴られた世
良を呆然と見ていた


『…っ、痛っ、気が
済んだら、隆連れて
帰れよ…神品。』

口の端に血を滲ませ
て世良が言う。

『世良くん、血が』

隆が、世良に近付こ
うとする。


『いいから、さっさ
と行けよ!神品!』

世良が神品を急かす
様に叫ぶ。

『…世良、悪い。』

その意図を汲む様に
神品は隆の肩を抱い
て、その場を離れた

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