《MUMEI》

帰れなくなっても知らねぇぞ…というくらいはっきりとした道もなく、実際俺もどうやってココまで来たか分からなくなっていた時だった。

「武、ほらココだよ///」

そう言ってかなたが細い木をかき分けて入っていったのは…とても綺麗な滝の流れる小さな池があった。

そこは川になっていて滝と言ってもそんなに大きくはなく、建物の二階から水が流れているくらいの高さで、例えるなら…海外の昔話に出てきそうな景色だった。

「武にね、コレみせたかったの…」
「あぁ…スゲェな…」

周りの草木も砂利も、日本では見ないようなものばかり。

俺がポカーンとその風景を眺めていると、突然かなたが着ていた服を脱ぎ始めた。

「ぉ///お前、今の季節いつだと思ってんだよ!」
「春だよッ♪」

一糸も纏わぬ姿で池に足を入れると、やっぱり水が冷たいのか『キャーキャー』言いながらもバシャバシャと入ってった。

(元気だな…)

「武も来てよ〜!もうっ!」
「えっ、マジかよι」

春って言っても、日本で言う所の”まだまだ肌寒いですね〜”と天気予報で言うくらいの気温だ。

「しゃあねぇな〜…」

そう言ってズボンをまくり上げて入って行くと、かなたがプリプリと怒りながら水から揚がってきた。

「違うって!全部脱いで!」
「はぁ///」
「俺が脱いでるんだから〜!」

そう言われ改めてマジマジとかなたのあそこを見つめる。

毛は金色とも栗毛色ともとれないような色で、相変わらず飴のような綺麗なピンク色をしていた。

最初に見たときと全然変わっていない、つまりは一切成長していないという事だなんだろうな。

まだ出会って1年も経ってないけどな…。

まだ…1年も経ってないのか、かなたとはすごく長い間一緒に居るような気がした。

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