《MUMEI》
科学の暴走 1
一方、アニマルたちは、一列に並んで必死にマキを探していた。
「二手に分かれようか」フランクが言った。
「いや」ハーリーが答える。「オランウータンの腕力は人間の10倍だ。8人一緒がいい」
「そうだな」ホークが言った。
ビリーが棒で草を分けながら言う。
「離れ離れにはならないほうがいい。船は一つだ」
「でもマキを人質にしてどうするつもりだ?」ダスティが大きい声を出す。「草食動物だろ。理由がわからん」
「動物は言葉が通じないからな」マードックが心配した。
「大丈夫だ。マキは日本人だ」
「ダスティ。日本語を話すオランウータンって本当に信じているのか?」
「スタン。相変わらずロマンがないな」
「何?」
「このカメラでバッチリ撮るぞ。オランウータンの姿も声も」ダスティはカメラを叩いた。

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